2010年03月16日

201002/2、3の東京都の説明会に参加して考えたこと、感じたこと。

どんぐりの会のメンバーからの201002/2、3の東京都の説明会についての感想です。
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今月3、4日に小平市において、東京都による小平都市計画道路3・3・8号府中所沢線の都市計画変更素案の説明会が開催されました。都の経済政策ながら、市内多くの住宅(約200世帯)を移転させ、玉川上水を36mも分断し、中央公園横の雑木林も失われるこの道路計画素案が実行された場合、地元市民の環境が大きく変化することが予想されます。

小平都市計画道路3・3・8号線の都市計画変更素案の説明で、府中街道が横に並んで表示される計画道路のスライド説明を聞きながら強く思ったのは、なぜ府中街道のクランク解消や拡張工事といった代替案が一切出てこないのかということです。普通に考えて、これは今まで着手されなかった48年前の道路計画なわけで、道路に建設順序があるとはいえ、高度経済成長期やバブルの時期でさえ、現状道路でなんとか凌げていました。その後バブル経済もはじけ、この半世紀の間、地球環境も加速度的に変化しています。

今回、説明対象とされた計画道路は、上水本町一丁目から小川町一丁目に渡る延長1.4kmの区間ですが、小川町一丁目に住んでいても地権者ではない私には、特に関心をもっていなければ情報をあたり前にはキャッチできません。この計画について近所の人に聞いても知らない人がほとんどで、たとえ知っていてもその内容を正確に把握できている人は少ないようでした。きれいな空気と、大切な緑の環境を奪われるという意味では、十分当事者であるにもかかわらずです。

私も車を運転している身として、府中街道を通過するとき、渋滞までには至らないものの通勤時間帯は交通量が多いことを実感しますし、車社会の便利さを有難く思う時もあります。また、たとえ府中街道を拡張する工事であっても立退き対象となる地主の人たちはいるわけで、結局、最大多数の最大幸福と、将来のヴィジョンを明確にして、知恵を絞り合うということが必要になってくるのだと思います。市がどんなまちづくりをしたいのか、まちデザインのこと、環境のこと、未来の子孫にどのような資産を残していくのかということを議論すべきだと思います。現代都市工学とまち創りデザインの技術は、今回、都から説明のあったような小手先の都市計画変更素案ではないはずです。

説明会を開きながら感じたことは、一切、会場の意見に耳を貸そうとせず、地権者に対する補償ばかりを強調し、一般市民への周知徹底という最低限の責務すら疎かにしかねないという都の姿勢です。地権者でなくとも、強引に計画を推し進めようとするその態度には十分憤りを感じたし、また、追加の説明会要請についても、主催者はまったく耳を貸そうとはしませんでした。都の用意したスライドや資料、当日の議事録、内容の全貌は記録されており、誰でも閲覧可能なはずです。根本的な見直しを求めるという署名は6000名を超えているというのに、その事実をなぜ行政は厳粛に受け止めようとしないのでしょう。

配布された道路の整備効果という補助資料の1ページ目に南北都市間の車の交通量の予測があり、平成42年の推計値を平成17年の34%増としています。それは、南北道路神話のなせる業か、正しい推計であるかもしれないのですが、少子高齢化で車の販売台数もせいぜい横ばいという昨今なのに、この数値に妙に違和感を覚えるのは、私だけでしょうか。必要のないダム推進を決定した審議会、新銀行東京、及び、都知事のオリンピック招致問題の経済効果についてはすでに多くの人が、必ずしも正しいとはいえない都政の矛盾を感じていることだと思います。都道の建設について、現政権は必要のない道路を無益には造らないという方針だったはずです。

十分な補償(実際は最低限の補償ときく)というエゴイスティックな言葉で問題をすり替えることを、説明担当者たちは恥ずかしいと思わないのでしょうか。このまま今の行政のやり方に押し切られて、知らないうちに道路ができあがり、大気汚染と騒音公害、環境破壊の影響を鼻先で受けるという結果だけは避けたいと思います。この問題は、一部の地権者のものではなく、一部政治家や企業のエゴではなく、十分先の将来を見据えた次世代に向けて、いかに環境を整備していくかという問題です。人類の進歩と英知を子どもたちの未来のために使おうとせず、時代錯誤な官僚主義にまかせたままにしておくことには断固意義をとなえたいと思います。

少し前に話題になった、「世界がもし100人の村だったら」という絵本には、「すべての富のうち6人が59%を持っていて・・・20人は栄養が十分でなく、1人は死にそうです。でも15人は太りすぎです。自分の車を持っている人は、一番豊かな7人のうちの1人で、1人が大学教育を受け・・・」と端的に世界の現実を示しています。今回の道路計画にかかる約300億円の事業費の半分は国が負担するものと思われます。その経済効果と環境破壊への影響はいかなるものか。アメリカインディアンは、7代先の子孫のことを考えて、自然と対話し決断を下すといいます。一部の官僚や企業家の私腹を肥やすというようなことはよもやないと思いたいのですが、都市部は、その豊かさを少しでも、北海道や沖縄のような地方のインフラ整備に還元すべきというような最な意見も出てきそうな気はします。もっと有効な税金の使い道はいくらでもあるものと思われます。すべての都道建設について、都は十分な説明責任を果たし、情報を公開すべきです。都道3・3・8号線について、現在の素案を変更し、住民の意見を反映させた計画案を作成し直して欲しいと思います。偏った経済勘定に縛られることなく、公正かつ現状に即した識者の対応を強く望むものです。


posted by 338 at 00:00| 338を考える会より | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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